YouTube運用代行を解約するときに確認するのは、月々の料金だけではありません。解約そのものの条件(いつまでに申し出れば違約金がかからないか)と、解約後に引き継ぐ素材の範囲(撮影した映像データ、企画・台本の資料、チャンネルの管理権限)の両方を、契約前に確認しておく必要があります。この記事では、一般的な契約の確認項目と、当社(株式会社JISEKI)での考え方を説明します。

解約を検討する前に整理する2つの論点

YouTube運用代行の解約でトラブルになりやすいのは、大きく分けて2つの場面です。1つは、解約そのものの条件です。いつまでに申し出れば違約金がかからないか、解約日までの費用をどう精算するか、という点です。もう1つは、解約したあとに何が手元に残るかです。撮影した素材や企画書、チャンネルの管理権限が該当します。

どちらも、契約書に明記されていなければ、解約を申し出た時点で初めて条件を知ることになります。契約前にこの2つの論点を分けて確認しておくと、解約を検討する段階になってから慌てずに済みます。

BtoB商材や検討期間の長い高単価商材のチャンネルでは、動画が商談時の信頼材料としても使われます。当社の制作実績でも、採用支援企業の発信チャンネルが商談時の信頼材料として使われている例があります。解約を機に動画が非公開になったり、それまでの企画の方向性を引き継げなくなったりすると、商談で使っていた動画が使えなくなるという影響が出ます。解約条件と引き継ぐ素材の両方を事前に確認しておく理由は、ここにあります。

解約条件で確認する4項目

業務委託契約の一般的な知識として、解約の条件は次の4項目に分けて確認します。

確認する項目確認する内容
最低契約期間契約から何か月間は解約できないか
解約の通知期限解約を希望する日の何日・何か月前に申し出る必要があるか
違約金の有無最低契約期間内に解約した場合に追加費用が発生するか
解約日までの精算方法月の途中で解約した場合、日割りで精算するか、月額を満額支払うか

株式会社マネーフォワードが運営するメディアでは、業務委託契約の中途解約条項の例として「解約希望日の1か月前までに書面で通知する」という条項と、「解約日までの業務に対する報酬は日割り計算で精算する」という方法を紹介しています。違約金についても触れており、法外な違約金は公序良俗に反するリスクがあるとしています。これはYouTube運用代行に限った話ではなく、業務委託契約全般に共通する考え方です。

BtoB商材は検討期間が長く、予算の承認が年度単位で決まることもあります。年度の途中で解約を申し出ると、通知期限や精算方法によっては、次の年度の予算計画に影響することがあります。解約を検討する時期が決まっている場合は、通知期限から逆算して社内の承認スケジュールを立てておきます。

Fig解約を申し出てから契約終了までの流れ
  1. 01
    最低契約期間を確認する
    期間内に解約すると違約金が発生する場合がある
  2. 02
    通知期限までに書面で申し出る
    口頭だけでなくメールや書面で記録を残す
  3. 03
    精算方法を確認する
    日割りか満額かを事前にすり合わせる
  4. 04
    引き継ぐ素材の範囲を確認する
    次の章で挙げる4項目を契約終了前に洗い出す

引き継ぐ素材で確認する4項目

解約の条件を確認できたら、次は解約後に何が手元に残るかを確認します。確認する項目は次の4つです。

確認する項目確認する内容
チャンネルの管理権限Googleアカウント・YouTube Studioの権限が貴社に残るか
撮影した素材データ編集に使った元データ(撮影素材)を受け取れるか
企画・台本の資料それまでに作成した企画書・台本を受け取れるか
著作権の帰属完成した動画の著作権が、譲渡か利用許諾のどちらになっているか

株式会社BELLが運営するメディアでは、YouTube運用代行を選ぶ際の確認点として、Googleアカウントとチャンネルの管理権限が常に貴社側に帰属することを契約書に明記するよう求めること、動画の著作権の帰属先や台本・素材データの納品形式を契約段階で確認しておく必要があることを挙げています。

チャンネルの管理権限をどちらに置いておくかは、YouTube企業アカウントの注意点|開設前に確認する5つの手順でも説明しているとおり、制作会社に撮影・編集だけを依頼する場合でも、アカウントの所有権は貴社側のブランドアカウントに置いておくことを勧めます。所有権を貴社側に置いておけば、依頼先を変更・解約するときにチャンネルそのものを引き継ぐ必要がありません。

著作権は「譲渡」か「利用許諾」かで扱いが変わる

株式会社VIDWEBが運営するメディアでは、動画制作の著作権には「譲渡」と「利用許諾」の2つの方法があり、譲渡の場合は改変する権利(翻案権)まで譲渡の範囲に含むか、制作側が著作者人格権を主張しない特約(不行使特約)があるかを確認する必要があると説明しています。また、編集データや撮影素材を誰がいつまで保管するか、保管期間後にどう扱うかも契約書で定めておく項目として挙げています。

Fig著作権の扱いを契約前に確認する
著作権を譲渡する契約
  • 発注者側が動画を自由に改変・再利用できる
  • 改変権(翻案権)まで範囲に含むか確認する
  • 制作側の著作者人格権の不行使特約も確認する
利用許諾のみの契約
  • 著作権は制作会社側に残る
  • 利用できる媒体・期間などが契約で限定される
  • 契約終了後に動画を使い続けられるかを確認する

BtoB商材のチャンネルでは、過去に投稿した動画を提案資料や展示会で再利用することがあります。著作権が利用許諾のみの契約で、利用できる媒体や期間が限定されていると、制作会社との契約が終了したあとに使える範囲が変わることがあります。動画を社外の資料に転用する予定がある場合は、著作権の扱いを契約前に確認しておきます。

当社の料金と、契約終了時のご相談について

当社(株式会社JISEKI)の標準プランは、撮影込み・月16本の投稿で月額20万円(税別)です。企画・台本の作成は、月5万円(税別)のオプションとしてお受けしています。

契約期間中に作成した企画・台本の資料は、解約後に自社で動画制作を続ける場合の土台になります。当社で企画・台本のオプションをご利用いただいている場合も、資料の引き渡し範囲は個別にご相談ください。

契約を終了する際の通知期限や違約金の有無、撮影素材・企画書の引き渡し範囲についても、個別にご相談ください。契約を検討する段階で、前の章で挙げた項目を1つずつ確認いただくことをお勧めします。月額プランに含まれる範囲はYouTube運用代行料金|月額に含まれる範囲と含まれないものに、契約期間の考え方はYouTube運用代行の契約期間|最低期間の目安と確認する5項目にまとめています。

依頼前に確認する5項目のチェックリスト

ここまでの内容を、依頼前に確認する5項目としてまとめます。

確認する項目確認する理由
最低契約期間と通知期限期間内の解約や通知の遅れで違約金が発生することがある
違約金と精算方法月の途中で解約した場合の金額の扱いを事前に把握する
チャンネルの管理権限貴社側に権限を残しておけば、解約時に引き継ぐ作業が減る
撮影素材・企画書の引き渡し解約後に自社で動画を作り続ける場合に必要になる
著作権の帰属完成した動画を解約後も使い続けられるかが変わる

この5項目は、依頼する前の見積もり段階で確認しておくと、解約を検討する段階になってから初めて条件を知る、という事態を避けられます。見積もりで確認するほかの項目は、YouTube運用代行が安い理由|見積もりで確認する5項目でもまとめています。

まとめ

YouTube運用代行の解約では、解約そのものの条件(最低契約期間・通知期限・違約金・精算方法)と、解約後に引き継ぐ素材の範囲(チャンネルの管理権限・撮影素材・企画書・著作権)の両方を確認します。契約前にこの2つを分けて確認しておけば、解約を検討する段階になってから初めて条件を知る、という事態を避けられます。

当社の標準プランは、撮影込み・月16本の投稿で月額20万円(税別)です。本数や撮影回数を変えた場合の概算は、見積もりシミュレーションで確認できます。サービスの内容はYouTube制作代行のページにまとめています。