企業がYouTubeアカウントで最初に確認すべき注意点は、個人のGoogleアカウントで始めないことです。個人アカウント(ブランドアカウントにリンクしていないチャンネル)は、所有者を変更できないため、担当者が異動・退職すると引き継ぎが難しくなります。このほかにも、著作権の確認やコメント対応など、運用を始めてからも注意すべき点があります。

この記事では、企業がYouTubeアカウントを開設・運用するときに確認しておきたい注意点を、5つの手順として説明します。BtoB商材や検討期間の長い商材を扱う企業ほど、チャンネルを長く運用することになるため、開設前の確認が後々の手間を減らします。

企業アカウントの注意点は5つの手順で確認する

注意点は、開設前・運用中・体制変更時の3つの場面に分けられます。順番に確認しておくと、公開後にアカウントごと止まってしまうような事態を避けられます。

Fig企業アカウントの注意点を確認する5つの手順
  1. 01
    ブランドアカウントで開設する
    個人アカウントではなく法人用の仕組みを使う
  2. 02
    公開可否を事前に確認する
    撮影前に話してよい内容の範囲を決める
  3. 03
    音源・画像の権利を確認する
    著作権のある素材を無断で使わない
  4. 04
    コメント対応の基準を決める
    返信・削除の判断基準を先に決めておく
  5. 05
    引き継ぎ手順を決めておく
    担当者の異動・退職に備える

以下、1つずつ説明します。

手順1: 個人アカウントではなく「ブランドアカウント」で開設する

YouTubeチャンネルは、個人のGoogleアカウントにそのまま紐づけて開設することもできます。しかし、企業として運用する場合は、Googleが案内している「ブランドアカウント」を使うことを勧めます。

ブランドアカウントは、個人のGoogleアカウントとは別に作成できるアカウントで、複数の所有者と管理者を設定できます(メインの所有者は1名必要です)。担当者が増えたときは管理者を追加し、異動・退職のときは権限だけを入れ替えられます。

Fig個人アカウントとブランドアカウントの違い
個人アカウント
  • Googleアカウント本人に直接紐づく
  • リンクしていない場合、所有者を変更できない
  • 担当者の異動・退職時に引き継ぎが難しい
ブランドアカウント
  • YouTubeチャンネル専用に作成できる
  • 複数の所有者・管理者を設定できる
  • 担当者が変わっても権限だけ入れ替えられる

外部の制作会社に撮影・編集を依頼する場合も、アカウントの所有権は貴社側のブランドアカウントに置いておきます。制作会社の個人アカウントでチャンネルを作ってしまうと、依頼先を変更するときにチャンネルそのものを引き継げなくなることがあります。

手順2: 撮影前に、公開してよい内容かどうかを社内で確認する

撮影してから「この話は社外に出せない」と気づくと、その回だけ撮り直しになり、スケジュールが乱れます。撮影前に、話してよい内容の範囲を決めておきます。

当社の制作フローでは、月1回・4時間の撮影で長尺4本分をまとめて収録します。まとめて撮る分、1本の内容に公開できない話が含まれていると、残りの本数にも影響します。

Fig撮影前に確認する3つのこと
  1. 01
    話す内容が社外に出してよいか
    数値や取引先に関する話は、公開可否を先に決めておく
  2. 02
    映り込む情報
    オフィスの掲示物や資料が映らないか確認する
  3. 03
    出演する社員の同意
    公開後も残る内容だと伝えておく

確認する人が複数いる場合、誰が最初に見て、誰が最終的に公開を判断するかも決めておきます。撮影から公開までの社内レビューの流れの決め方は、BtoB企業のYouTubeチャンネル開設手順にまとめています。

手順3: 使用する音源・画像の著作権を確認する

動画のBGMや挿入する画像は、権利を確認したものだけを使います。YouTubeのヘルプでは、著作権のあるコンテンツを使う方法として、法的な例外(フェアユースなど)の確認、権利者からの許可、クリエイティブ・コモンズライセンスの条件に沿った利用、YouTube公式のオーディオライブラリやクリエイター ミュージックからの入手が案内されています。

いずれの方法でも、著作権侵害の警告やContent IDの申し立てを完全に避けられるとは限らないとされています。市販の音楽や、インターネットで見つけた画像を無断で使うことは避け、判断に迷う場合は公式情報や専門家に確認してください。

公開済みの動画にContent IDの申し立てが届いた場合は、申し立ての対象になっている部分を確認し、該当する音源・画像を入れ替えるか、権利者からの許可が取れるかを検討します。公開前に権利を確認しておけば、公開後に動画を取り下げる事態は避けやすくなります。

当社が撮影を担当する場合も、収録は貴社のオフィスまたは指定の場所で行います。東京都以外での撮影は、交通費を別途お見積もりしています。撮影場所に貴社側で素材を持ち込む場合や、音楽を流す場合は、貴社側で権利を事前に確認しておきます。社内で制作する場合も、編集担当者が個人で契約している音楽サービスの楽曲を無断で使っていないかを、公開前に確認します。

手順4: コメント欄の対応方針と、投稿の内容を決めておく

チャンネルを公開すると、コメント欄への対応が発生します。対応する部署と、削除・非表示の判断基準を先に決めておきます。

YouTubeの利用規約では、ユーザーの意向を無視した宣伝または営利目的のコンテンツを配信したり、一方的な勧誘や大量の勧誘を行うために本サービスを使用することが禁止されているとされています。詳しくはYouTubeの公式な利用規約をご確認ください。

投稿・コメントの種類確認しておく対応
製品・サービスの一方的な宣伝だけの投稿情報や事例を交えた内容にし、宣伝だけで終わらせない
誹謗中傷・荒らしコメント削除または非表示にする基準を事前に決めておく
問い合わせに近い質問対応する部署と、回答までの目安の期間を決めておく

基準を決めておくと、担当者が変わってもコメント対応の判断が揺れにくくなります。

BtoB商材のチャンネルでは、商品の不満よりも「料金はいくらか」「導入までどのくらいかかるか」といった、問い合わせに近い質問が増える傾向があります。コメントで個別に答えるだけでなく、同じ質問が多い内容は次の動画の題材にする、という使い方もできます。

手順5: 担当者が異動・退職したときの引き継ぎ手順を決めておく

企業アカウントは、個人の担当者がいなくなっても運用を続けます。異動・退職が決まったときに慌てないよう、引き継ぎの手順を先に決めておきます。

手順1でブランドアカウントにしておけば、退職する担当者の管理者権限を外し、後任者を管理者に追加するだけで引き継げます。引き継ぎのときに後任者へ伝えておくことは、次の3つです。

  1. 管理者権限を後任者に追加し、退職する担当者の権限を外す
  2. それまでの企画・台本や、公開可否の判断基準をまとめた資料の保存場所を伝える
  3. コメント対応の担当部署と判断基準を伝える

企画や台本の作成を社内の担当者だけに頼っている場合は、その担当者が抜けると題材が決まらなくなります。当社では、企画・台本の作成を月5万円(税別)のオプションとして提供しています。

社内の実行体制をどう決めるかは、企業のYouTubeマーケティング始め方にまとめています。企画・台本のオプションを含めた費用の内訳は、YouTube運用代行の費用内訳で確認できます。

まとめ

企業のYouTubeアカウントで注意しておきたいのは、個人アカウントではなくブランドアカウントで開設すること、撮影前に公開可否を社内で確認すること、音源・画像の著作権を確認すること、コメント対応の基準を決めておくこと、担当者の異動・退職に備えて引き継ぎ手順を決めておくことの5つです。どれも、トラブルが起きてから対応するより、開設前に決めておくほうが負担が小さくなります。

自社の投稿本数や撮影回数を変えた場合の概算は、見積もりシミュレーションで確認できます。サービスの内容はYouTube制作代行のページにまとめています。