YouTube運用代行の会社を選ぶとき、再生数や登録者数の実績だけで判断すると、BtoB・高単価商材のチャンネルでは比較になりません。見るべきは実績の「内容」と、それを支える「体制」の2点です。この記事では、実績と体制をそれぞれ確認する質問と項目を整理します。具体例には当社(株式会社JISEKI)の制作実績と撮影体制を使います。
実績の数字だけでは判断できない理由
比較記事の多くは、登録者数や再生回数といった実績の数字を確認するよう勧めます。しかし、依頼先が公開できる実績には限りがあります。クライアントとの契約で社名や動画を公開できない会社が多く、公開されている数字も、どの業種・どの条件で出た数字かが分からないことがほとんどです。
BtoB・高単価商材のチャンネルは、個人向けのエンタメ系チャンネルと再生数の基準が違います。他業種の大きな数字を基準にすると、自社の商材に合うかどうかを見誤ります。実績を聞くときに意味があるのは、再生数の絶対値ではなく、どの業種で、どんな企画の型で、どのくらいの期間で成果につながったかという内容です。数字そのものより、その数字が出た条件を説明できるかを確認します。
検討期間が長いBtoB商材では、動画1本が商談で使われる期間も長くなります。公開後に方向性を直すとなると、作り直しの時間がそのまま機会損失になります。だからこそ、契約前の段階で実績の内容と体制を確認し、自社の商材に合う依頼先かどうかを見極める価値があります。
実績を確認する3つの質問
実績を確認するときは、次の3つを質問します。
| 質問 | 確認できること |
|---|---|
| 近い業種での制作実績はありますか | 業種特有の事情を踏まえた企画ができるか |
| どんな企画の型で成果につながりましたか | 再生数の数字ではなく、企画の考え方を説明できるか |
| 撮影から初稿までどのくらいかかりますか | 投稿スケジュールを立てられる見通しがあるか |
社名を出せない会社でも、業種と企画の内容であれば具体的に答えられます。曖昧な答えしか返ってこない場合は、実績が業種に合っていないか、社内で実績を整理していない可能性があります。
3つの質問は、最初の打ち合わせで一度に聞いても構いません。回答のうち、数字だけが返ってきて企画の内容が説明されない場合は、再度「どういう企画でその数字になったのか」を聞き直してください。数字の裏にある企画の考え方を説明できる会社は、自社の商材でも同じ考え方を当てはめて企画を立てられる可能性が高くなります。
当社の制作現場では、SES(IT人材)企業のチャンネルを4社同時進行で制作し、初回撮影から約1週間で投稿を始めました。採用支援企業の発信チャンネルは、月4本ペースで長尺とショートを組み合わせて制作しています。人材紹介企業では、採用ブランディングとして、キャリア密着ドキュメンタリー番組(第一線で働く人の1日に密着する形式)への出演を、企画・撮影・編集・サムネイルまで一括で担当しました。業種に近い実績があるかを確認したい場合は、こうした具体性のある回答が得られるかを基準にしてください。
体制を確認する4つの項目
実績の次に確認するのは、撮影と編集を支える体制です。確認する項目は次の4つです。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 撮影の実行者 | 自社スタッフが撮影するか、都度外部のカメラマンを手配するか |
| 撮影の頻度とまとめ方 | 月に何回撮影し、1回で何本分を収録するか |
| 企画・台本の担当 | 依頼先が作成するか自社で用意するか、別料金かどうか |
| 初稿までの日数 | 撮影後、何日で初稿が届くか |
- 日程調整が1社との窓口で済む
- 素材の管理方法が一定している
- 月1回のまとめ撮りにしやすい
- 撮影日の調整に時間がかかることがある
- 担当者が撮影ごとに変わることがある
- 素材の受け渡し方法が案件ごとに変わりやすい
当社は自社のスタッフが、貴社のオフィスまたは指定の場所で撮影します。東京都以外での撮影は、交通費を別途お見積もりします。月1回・4時間までの撮影で、長尺4本分をまとめて収録します。企画・台本の作成は月50,000円(税別)の別オプションで、話す内容が社内で決まっている場合は不要です。編集とサムネイルの初稿は、撮影後およそ10日でお届けしています。
体制の違いは、フリーランスと制作会社でも異なります。担当者が1人か複数かによって、不在時の対応が変わる点はフリーランスと制作会社の違い|YouTube運用代行の選び方にまとめています。体制と合わせて、撮影・企画・投稿管理のどこまでが月額の範囲に入るかも確認してください。範囲の区分はYouTube運用代行とは|業務範囲と確認すべき6項目で説明しています。
4項目のうち、見落とされやすいのが撮影の頻度とまとめ方です。月に1回まとめて撮影する会社と、動画1本ごとに撮影日を設ける会社では、出演者が撮影のために空ける時間が大きく変わります。撮影の回数が多い会社に依頼すると、総額が同じでも、社内の出演者の負担が重くなることがあります。初回のヒアリングで、月の撮影回数と1回あたりの本数を具体的な数字で聞いておくと、依頼後の負担を事前に見積もれます。
当社の実績と体制の例
実績と体制を確認する質問に、当社がどう答えるかをまとめると次のとおりです。
これらはすべて当社の制作現場で観察した事実です。他社に同じ質問をする際の比較の物差しとしてお使いください。
実績の面では、IT人材系の企業チャンネルを複数社同時に進めてきた経験があり、採用支援企業では月4本という一定のペースを保っています。体制の面では、撮影を自社のスタッフが担い、月1回のまとめ撮りで出演者の負担を抑えています。実績の「内容」と体制の「具体性」をセットで確認すると、総額だけでは見えなかった違いが見えてきます。
見積もり比較で実績と体制を使う4つの手順
複数社の見積もりを比較するときは、次の順番で実績と体制の質問を使います。
- 01実績の3質問をリスト化する業種の経験、企画の型、初稿までの日数を書き出す
- 02体制の4項目をリスト化する撮影の実行者、頻度、企画の担当、初稿の日数を書き出す
- 03複数社へ同じ質問をする同じ文面で2〜3社に問い合わせる
- 04曖昧な回答の会社を外す業種や体制を具体的に答えられない会社は候補から外す
同じ質問を複数社にそろえて聞くと、総額の違いが実績や体制の違いによるものかが見分けられます。費用の軸も含めて比較したい場合は、YouTube運用代行の比較|会社ごとに違う6つの軸で6つの軸を整理しています。比較表の作り方から確認したい場合は、YouTube運用代行の相見積もり|比較する7項目にまとめています。
4つの手順を一度に終わらせる必要はありません。実績の3質問は初回のヒアリングで聞き、体制の4項目は見積書を受け取った段階で、書面に書かれていない内容を補う形で聞く、という進め方もできます。どちらも契約前に書面か議事録で残しておくと、契約後に「聞いていた内容と違う」という食い違いを防げます。
まとめ
YouTube運用代行の会社を選ぶときは、再生数の実績だけでなく、実績の内容と体制を確認します。実績は、業種の経験・企画の型・初稿までの日数の3点を質問し、体制は、撮影の実行者・頻度・企画の担当・初稿までの日数の4点を確認します。曖昧な回答しか返ってこない会社は、契約後も同じ曖昧さが続く可能性があります。
比較記事のランキングや総額だけで依頼先を決めると、契約後に自社の商材と合わない企画や、想定していなかった撮影の負担に気づくことがあります。実績と体制の質問リストは、見積もりを受け取る前に用意しておき、どの会社にも同じ条件で確認してください。
当社の制作実績と撮影体制は本文のとおりです。本数や撮影回数を変えた場合の概算は、見積もりシミュレーションで確認できます。サービスの内容はYouTube制作代行のページにまとめています。