BtoBのYouTubeチャンネルを始めるときに最初に迷うのは、何本撮ればよいか、誰が何を決めるかです。この記事では、検討フェーズ別の役割の決め方、月の本数の選び方、撮影から投稿までの社内レビューの流れ、企画を社内で用意するか依頼するかの判断までを手順として説明します。

チャンネル名やアイコン画像の作り方といった操作面は、YouTubeの公式ヘルプや他の解説記事でも説明されています。この記事では、開設後に運用を止めずに続けるための体制づくりに絞って説明します。

チャンネル開設は5つの手順で進める

BtoB商材は検討期間が長く、1本の動画だけで商談につながることは多くありません。チャンネルを始める前に、次の5つを順番に決めておくと、公開後に迷いが減ります。

FigBtoBチャンネル開設の5つの手順
  1. 01
    検討フェーズ別の役割を決める
    情報収集・比較検討・決裁のどこに動画を当てるか割り振る
  2. 02
    月の本数と撮影回数を決める
    長尺4・6・8本と撮影1・2回の範囲で選ぶ
  3. 03
    最初の4本の題材を決める
    数字が入るタイトル、または問題提起の企画を1本は入れる
  4. 04
    撮影から公開までの流れを決める
    初稿10日を基準に社内の確認期間を確保する
  5. 05
    企画・台本を社内か依頼かで決める
    話す内容が決まっていなければオプションを検討する

以下、1つずつ説明します。

手順1: 検討フェーズ別に動画の役割を決める

BtoBの購買担当者は、情報収集・比較検討・決裁という複数の段階を経て検討します。動画を1本ずつ独立したテーマで作ると、同じ段階の内容が重なりやすくなります。

最初に、チャンネル全体でどの段階の疑問に答えるかを割り振ります。たとえば「情報収集の段階向けに業界の仕組みを説明する動画」「比較検討の段階向けに選び方の基準を説明する動画」「決裁の段階向けに導入後の運用を説明する動画」のように、段階ごとに担当する動画の種類を決めます。

この割り振りは、社内の誰が出演し、誰が内容を確認するかを決めるときの基準にもなります。決裁者向けの動画は、現場の担当者だけでなく事業部長や経営層が内容を確認する、といった体制を先に決めておくと、公開前の確認で止まりにくくなります。

段階ごとの割り振りを1枚の表にまとめておくと、月の題材を決める会議のたびに、どの段階が手薄かを確認できます。情報収集向けの動画だけが増えて、比較検討や決裁向けの動画が足りない、という偏りにも気づきやすくなります。

手順2: 月の本数と撮影回数を選べる範囲で決める

当社の標準プランは、月1回・4時間の撮影で長尺4本分をまとめて収録し、ショートと合わせて月16本を投稿する内容です。出演者が撮影のために空ける時間は、月に半日で済みます。

本数は固定ではなく、月額プランの範囲内で増やせます。選べる範囲は次のとおりです。

項目選べる範囲
長尺動画の本数4本・6本・8本
撮影の回数月1回・月2回
ショート動画の本数12本・16本・20本・24本

本数を増やすと費用も上がります。工程ごとの単価と、本数を変えた場合の概算は、YouTube運用代行の費用内訳にまとめています。尺の長さによる編集の手間の違いは、YouTube動画制作の相場で確認できます。

撮影場所についても先に決めておきます。当社の場合、東京都以外での撮影は、交通費を別途お見積もりします。拠点が東京都外にある場合は、月の撮影回数を決める段階で確認してください。撮影を月2回に分けると、1回あたりの収録本数は減らせますが、撮影費は回数に応じて増えます。東京都以外では交通費も回数分かかります。

本数を決める段階では、将来増やす前提で少なめに始めるか、最初から目標の本数で始めるかも決めておきます。最初は長尺4本で始めて、投稿が定着してから本数を増やす進め方も選べます。

手順3: 最初の4本の題材を、再生傾向から決める

題材が決まらないときは、何を基準に選ぶかを先に決めます。当社が制作に関わるIT人材系の企業チャンネルの実測では、タイトルの作り方によって再生数に差が出ています。

Fig再生傾向に関する当社の実測(IT人材系チャンネル)
9/11本
再生上位の動画でタイトルに数字が入っていた割合
10〜20倍
問題提起の企画で周辺動画の10〜20倍になったことがあった

タイトルの長さにも運用上の目安があります。当社では、長尺のタイトルを25〜30字以内に収めています。これより長いと、サムネイルの横でタイトルが切れてしまうためです。

この実測から、最初の4本には次のような題材を1本以上入れることを勧めます。

  • 金額・割合・年数など、数字が入るタイトルの動画
  • 業界や会社の仕組みそのものを主語にした、問題提起の動画
  • 出演する社員の経歴や人柄が伝わる自己紹介的な動画
  • 比較検討の段階で検索されやすい、選び方や判断基準を説明する動画

4本すべてを新しい切り口にする必要はありません。社員の経歴や人柄が伝わる自己紹介的な動画は、当社が制作に関わるIT人材系の企業チャンネルの実測でも、長尺の中で上位の再生になった回があります。

タイトルの型と再生傾向の詳しい事例は、BtoBのYouTube成功事例にまとめています。

手順4: 撮影から公開までの社内レビューの流れを決める

撮影が終わったあとの流れも、開設前に決めておきます。当社の場合、編集とサムネイルの初稿は撮影後およそ10日で届けます。

この10日を基準に、社内の確認期間を組み込みます。確認する人が複数いる場合、誰が最初に見て、誰が最終的に公開を判断するかを決めておくと、初稿が届いてから投稿までの期間が延びにくくなります。

確認の手順は、次のように段階を分けておくと止まりにくくなります。

  1. 現場の担当者が、内容の事実関係を確認する
  2. 広報や事業部長が、社外に出してよい表現かを確認する
  3. 投稿担当が、投稿日時と概要欄を整えて予約投稿する

修正の回数に上限があるかどうかも、制作会社に依頼する場合は確認しておく項目です。上限を超えると追加費用になることがあります。月1回の撮影で複数本をまとめて収録する場合、1本の修正が遅れると後続の本数の投稿スケジュールにも影響するため、修正の期限も決めておきます。

手順5: 企画・台本を社内で用意するか、依頼するかを決める

社内の担当者が商談で話している内容をそのまま題材にできる場合、企画・台本の費用はかかりません。話す内容が決まっていない場合は、企画・台本の作成を依頼します。当社では、月額5万円(税別)のオプションとしてお受けしています。

撮影だけ、編集だけを依頼したい場合もありますが、単価が変わるため個別の相談になります。月額プランの内訳をそのまま単品の価格として使うことはできません。

社内で用意するか依頼するかを決めるときは、題材を考える担当者が本来の業務にどれだけ時間を使えるかで判断します。営業や広報の担当者が商談の合間に台本を書く場合、その時間に本来できていた業務も含めて考えます。最初の数か月だけ依頼して型をつくり、その後は社内で引き継ぐという進め方も選べます。

依頼先を検討する場合は、実績や対応範囲を確認する基準をBtoB特化のYouTube運用代行の選び方にまとめています。

まとめ

BtoBのYouTubeチャンネルを開設する手順は、検討フェーズ別の役割決め、月の本数と撮影回数の決定、最初の4本の題材選び、撮影から公開までのレビュー体制、企画・台本を社内か依頼かで決める、の5つです。どれも公開前に決めておくほど、投稿が始まったあとの運用が止まりにくくなります。

本数や体制は、開設後に見直すこともできます。最初から完璧な体制を目指すよりも、長尺4本・月1回の撮影といった小さい規模で始めて、投稿が定着してから本数や確認の仕組みを調整するほうが、運用を止めずに続けやすくなります。

自社の投稿本数や撮影回数を変えた場合の概算は、見積もりシミュレーションで確認できます。サービスの内容はYouTube制作代行のページにまとめています。