YouTube運用を内製にするか運用代行に依頼するかは、総額だけを比べても判断できません。内製には人件費という見えにくい費用が含まれ、代行には撮影の有無で単価が変わるからです。総コストで比べるには、まず「月に何本作るか」と「1時間あたりの人件費」を同じ条件にそろえる必要があります。

この記事は比較記事のため、当社(株式会社JISEKI)の運用代行サービスを含みます。具体例には当社の料金表を使います。内製側のデータは、社内完結のコストをまとめている外部のページを出典にします。

経営判断として内製と代行を比べる場合、見るべきは月額の費用だけではありません。担当者の時間、投稿本数、撮影の有無という3つの条件がそろっていないと、総コストの比較は意味を持ちません。以下では、この3条件を軸に内製と代行それぞれの総コストを分けて示します。

内製にかかる総コスト

内製のコストをまとめているCACTASの記事によると、月5本投稿・一般的な企業向けBtoB動画を想定した場合の内製コストは次のとおりです。

項目内容前提出典
月額費用の目安4万〜13万円月5本投稿・BtoB動画想定CACTAS
工数の合計70〜140時間/月企画・台本・撮影・編集・サムネイル他の合計CACTAS
人件費換算月35万〜56万円時給2,500〜4,000円(正社員、給与+社保)、工数140時間(上限)を基準に換算CACTAS

工数の内訳は、1本あたり企画・リサーチ2〜4時間、台本・構成作成3〜6時間、撮影2〜4時間、編集6〜12時間、サムネイル・タイトル・SEO設定1〜2時間で、合計14〜28時間/本です(月5本投稿の場合、月あたり70〜140時間に換算されます)。もっとも時間がかかるのは編集で、合計の半分近くを占めます。

内製の総コストを考えるときは、月額費用の目安だけでなく、人件費換算の数字も合わせて見る必要があります。担当者の時間は、本来の業務に使えなくなる時間でもあるためです。

見落としやすいのは、工数が企画・台本・撮影・編集・サムネイルの5つの工程に分かれている点です。編集の時間だけを人件費に換算して「内製のほうが安い」と判断すると、企画や台本づくりにかかっている時間が計算から漏れます。担当者が実際にどの工程にどれだけの時間を使っているかを、工程ごとに記録してから計算してください。

代行にかかる総コスト

当社の月額プランの内訳では、撮影込み・月16本投稿で月額20万円(税別)です。内訳は次のとおりです。

工程内容単価小計
撮影月1回・4時間まで40,000円40,000円
長尺動画の編集20分以内 × 4本30,000円120,000円
ショート動画の制作12本2,500円30,000円
サムネイルの制作4枚2,500円10,000円
合計月16本の投稿200,000円

当社が一般的な制作会社の相場として説明している月30万〜50万円と比べると、当社の月額20万円は相場の約半額です。企画・台本の作成を依頼する場合は、月5万円(税別)のオプションが別に加わります。

投稿本数を増やす場合の概算も、同じ単価で計算できます。当社の場合、撮影を月2回に増やすと撮影費は8万円になります。長尺を6本に増やすと、編集費は1本30,000円×6本の計算になります。本数を増やした分だけ費用も増えるため、内製と比べる本数に応じて概算を出し直してください。

CACTASのデータは月5本投稿、当社のプランは月16本投稿のため、本数の前提が異なります。総額をそのまま比べることはできません。次の章で、前提をそろえてから比べる手順を説明します。

Fig前提をそろえて比較する3つの手順
  1. 01
    月の本数をそろえる
    内製・代行とも、同じ本数に換算してから比べる
  2. 02
    時間単価を実測する
    担当者の時給を給与と社保から計算する
  3. 03
    工程ごとに並べる
    企画・撮影・編集・サムネイルを工程別に比べる

前提をそろえて比較する3つの手順

総コストを比べる手順は、次の3つです。

  1. 自社が月に何本投稿するかを決め、内製と代行の見積もりを同じ本数に換算する
  2. 内製にかかる担当者の時間を実測し、給与と社会保険料から時間あたりの人件費を出す
  3. 企画・台本・撮影・編集・サムネイルの工程ごとに、内製の時間コストと代行の見積もり単価を並べる

実測の時間は会社によって変わります。CACTASの工数データは目安として使い、自社で実際に時間を測ったうえで計算し直してください。経験の浅い担当者ほど、同じ工程でも時間がかかる傾向があるため、測る期間は1か月分だけでなく、複数本分の平均を取ることをお勧めします。

工程を並べる際は、YouTube運用代行の費用内訳|月20万円で何ができるかで紹介している4工程(撮影・長尺編集・ショート制作・サムネイル)の分け方を使うと、内製側の工程ともそろえやすくなります。

内製と代行、どちらが向いているか

工程ごとの時間コストが分かったら、どちらに向いているかを工程単位で判断します。すべての工程を一方に決める必要はありません。総コストの数字が近い場合は、担当者の経験や、空けられる時間の有無で決めることになります。

Fig内製と代行、工程ごとの向き不向き
内製に向くケース
  • 社内に編集や撮影の経験者がいる
  • 投稿本数が少なく時間を確保しやすい
  • 企画の内容が社内にしかない専門知識に基づく
代行に向くケース
  • 担当者の時間を営業や採用に使いたい
  • 投稿本数を増やしたいが社内の人手が足りない
  • 撮影機材や編集ソフトを新たに揃えたくない

企画だけ社内で作り、撮影と編集を依頼する組み合わせも可能です。企画・台本の作成は月5万円(税別)のオプションのため、話す内容を社内で決められる場合はオプション費用がかかりません。

立ち上げの時期だけ代行に依頼し、投稿の型が固まったあとで内製に切り替える進め方もあります。最初から内製にすると、企画の方向性が固まるまでの試行錯誤に担当者の時間がかかります。代行で型を作ってから、社内で引き継げる工程だけを内製に戻すほうが、人件費を抑えやすい場合があります。

切り替えるときに確認すること

内製から代行、または代行から内製に切り替える場合は、次の点を事前に確認します。

  • 契約期間の条件。最低契約期間がある場合、途中で切り替えると条件が変わる
  • 素材の引き継ぎ。これまでの撮影データや編集データを、どちらが保管しているかを確認する
  • 投稿スケジュールの空白期間。切り替えの前後で投稿が止まらないよう、引き継ぎの期間を決めておく
  • 撮影場所と機材。内製で使っていた撮影場所や機材を代行後も使うのか、代行側が用意するのかを決めておく

特に素材の引き継ぎは見落としやすい点です。内製期間に撮影した素材や、過去の企画メモを代行側に渡せると、立ち上げの初期から過去の文脈を踏まえた企画を検討できます。逆に代行から内製に戻す場合は、これまでの編集データの形式やテロップのテンプレートを引き継げるかを確認してください。

当社に依頼する場合の見積もりの考え方は、YouTube運用代行の相見積もり|比較する7項目にまとめています。すでに他社に依頼している場合との比較は、フリーランスと制作会社の違い|YouTube運用代行の選び方も参考になります。

内製と代行を比べる目的が「投資に対してどれだけ回収できるか」であれば、YouTube運用代行の費用対効果|回収までの考え方と3つの手順で、回収までの考え方を説明しています。

まとめ

内製と運用代行の総コストは、月の本数と時間単価をそろえてから比べます。内製には、月額費用のほかに担当者の人件費という見えにくい費用があります。代行には、撮影込みかどうかで単価が変わります。どちらが安いかを決める前に、自社の担当者が実際に何時間を使っているかを測ることが最初の一歩です。

当社の月額プランは、撮影込み・月16本投稿で月額20万円(税別)です。本数や撮影回数を変えた場合の概算は、見積もりシミュレーションで確認できます。サービスの内容はYouTube制作代行のページにまとめています。