企業YouTubeの企画が決まらない原因は、ネタそのものがないことより、ネタを拾う場所と、拾ったネタをどの型に当てはめるかが決まっていないことにあります。この記事では、企画のネタ元の洗い出し方から、再生傾向をふまえた型の選び方、月の本数への組み合わせ方、ネタ切れを防ぐ仕組み化までを手順として説明します。
BtoB・高単価商材の企業では、担当者が営業や広報と兼務しながら企画を考えることが多く、思いつきで決めていると数か月でネタが尽きます。最初の4本だけでなく、継続して企画を出し続ける仕組みまで含めて手順にまとめました。
企画が止まる原因は、企画を決める人が1人に固定され、その人の思いつきだけに依存していることと、ネタ元が社内の会議だけに閉じていて、営業や問い合わせで実際に聞かれている質問が企画に反映されていないことの2つに整理できます。どちらも、企画を「毎回ゼロから考える」前提になっている点が共通しています。次の手順は、ゼロから考える部分を減らし、拾う・当てはめる・組み合わせるという作業に変える進め方です。
企業YouTubeの企画は4つの手順で決める
- 01ネタ元を3つ洗い出す商談・問い合わせ/社内資料/既存動画のデータから拾う
- 02ネタを型に当てはめる再生傾向に基づく型と組み合わせる
- 03月の本数に組み合わせる4本のうち型が重ならないようにする
- 04企画会議を仕組み化するネタのストックと選定を分けて回す
以下、1つずつ説明します。
手順1: 社内にあるネタ元を3つ洗い出す
企画を考える前に、社内のどこにネタが眠っているかを洗い出します。多くの会社では、次の3つにすでにネタがあります。
- 営業の商談ログ・問い合わせフォームに残っている、顧客からよく聞かれる質問
- 提案書・ホワイトペーパー・展示会の配布資料に書かれている、自社の考え方や判断基準
- 既存の動画のコメントや再生データ。すでに公開している動画のうち、どのテーマが伸びたか
このうち最も企画に直結しやすいのは1つ目です。顧客からよく聞かれる質問は、すでに「視聴者が知りたいこと」で絞り込まれているため、企画会議でゼロから案を出すより早く固まります。営業の担当者に、直近の商談でよく聞かれた質問を月1回聞くだけでも、ネタ元として十分に機能します。
手順2: 洗い出したネタを、再生傾向に基づく型に当てはめる
ネタ元から拾った話題は、そのままではタイトルや構成が決まりません。当社が制作に関わるIT人材系の企業チャンネルの実測では、同じ話題でも当てはめる型によって再生数に差が出ています。
| 型 | 内容 | 当社の実測 |
|---|---|---|
| 時事型 | 西暦と対象者を入れて市況の変化を言い切るタイトル | 直近の中央値の6〜17倍 |
| 言い換え型 | 業界の専門用語を、視聴者の給料やお金の話に言い換える | 約7倍 |
| 主語変更型 | 自社の自慢ではなく、視聴者の困りごとを助けた話にする | 約6倍 |
| 問題提起型 | 業界や会社の仕組みそのものを主語にする | 周辺動画の10〜20倍 |
| 比較・問いかけ型 | 「AとB、どちらが得か」を短い尺で問いかける | 公開後も長く検索から再生 |
手順1で拾ったネタを、この表に当てはめて考えます。たとえば「顧客からよく聞かれる業界の仕組みの質問」は問題提起型に、「社員が商談で話している専門用語」は言い換え型に当てはめやすくなります。型ごとの詳しい事例は、BtoBのYouTube成功事例にまとめています。
手順3: 月の本数に合わせて4本の組み合わせを決める
当社の標準プランでは、月1回・4時間の撮影で長尺4本分をまとめて収録します。4本すべてを同じ型にすると、視聴者から見て似た動画が並び、チャンネル全体の幅が狭く見えます。
4本を決めるときは、型が重ならないように組み合わせます。たとえば、時事型を1本、問題提起型を1本、主語変更型を1本、残り1本は出演する社員の経歴や人柄が伝わる内容、という組み合わせです。すべてを新しい切り口にする必要はなく、反応が確認できている型を複数本に使ってもかまいません。
本数は固定ではなく、長尺4・6・8本、撮影1・2回、ショート12・16・20・24本の範囲で選べます。チャンネル全体の目的とKPIの決め方、本数の選び方の詳細は、法人のYouTubeチャンネル運用の始め方とBtoB企業のYouTubeチャンネル開設手順にまとめています。
手順4: 企画会議を仕組み化してネタ切れを防ぐ
企画が止まる最大の原因は、会議のたびにゼロから案を出そうとすることです。ネタを「ストックする」作業と「選ぶ」作業を分けると、ネタ切れを防ぎやすくなります。
- ネタ元から拾った話題を、思いついた時点でメモに残す。営業の商談後、問い合わせの対応後など、発生したタイミングで記録する
- 月1回、ストックしたネタを集めて企画会議を開く。会議の場では新しい案を考えず、ストックから手順2の型に当てはめて4本を選ぶ
- 選んだ4本について、撮影日までに話す順番と、各本の冒頭で話す結論を決めておく
- 撮影後、どの型の動画がどれだけ再生されたかを記録し、次の月のネタ選びに反映する
この仕組みにすると、企画会議そのものにかかる時間が短くなります。会議の前にネタがストックされているため、会議では「選ぶ」作業だけに集中できるからです。
企画・台本は社内で作るか、依頼するか
ネタ元があっても、話す内容を台本の形にまとめる時間が社内にない場合があります。社内の担当者が商談で話している内容をそのまま題材にできるなら、企画・台本の費用はかかりません。まとめる時間が確保できない場合は、企画・台本の作成を依頼します。当社では月額5万円(税別)のオプションとしてお受けしています。
- 営業や広報の担当者が、ネタ元の洗い出しから台本までを兼務する
- 型への当てはめ方を覚えると、以降の負担が下がる
- ネタ元のヒアリングから型への当てはめ、台本までを任せられる
- 当社では月額5万円(税別)のオプション
最初の数か月だけ依頼して型をつくり、社内に慣れてきたら引き継ぐという進め方も選べます。工程ごとの単価や、本数を変えた場合の概算は、YouTube運用代行の費用内訳にまとめています。
まとめ
企業YouTubeの企画を決める手順は、社内のネタ元を洗い出す、ネタを再生傾向に基づく型に当てはめる、月の本数に合わせて組み合わせを決める、企画会議を仕組み化してネタ切れを防ぐ、の4つです。会議のたびにゼロから案を考えるのではなく、ネタをストックしておき、選ぶ作業だけに会議の時間を使うほど、企画は止まりにくくなります。
自社の投稿本数や撮影回数を変えた場合の概算は、見積もりシミュレーションで確認できます。企画・台本を含む制作代行の内容は、YouTube制作代行のページにまとめています。