IT企業は、技術力や社風を外から確認しにくい商材です。YouTubeは、エンジニアの働き方や提案の進め方を動画で見せられるため、採用と商談の両方で、文章の資料より早く信頼を作れます。
この記事では、発信するテーマを採用向けと商談向けに分ける方法、撮影を月1回にまとめる手順、タイトルの作り方、費用の考え方を説明します。数字は、当社(株式会社JISEKI)の料金表と制作現場で観察した内容を基にしています。
IT企業とYouTubeが合う理由
IT企業の商材には、次の3つの特徴があります。
- 技術力や開発の進め方が、外から見えにくい
- エンジニア採用と、サービスの商談という、2つの課題を同時に抱えている
- どちらの検討期間も長く、比較する側は複数の候補を並べて見ている
YouTubeは、この3点のどれにも対応できます。開発の進め方や社内の雰囲気を動画で見せれば、技術力の見えにくさを補えます。採用向け・商談向けの動画を同じチャンネルで発信しても、見る側は目的に応じて必要な動画だけを選んで見られます。
資料や説明会だけでは、応募者も発注を検討する企業も「実際にどう働いているか・どう進めてくれるか」を想像するしかありません。動画で現場の様子を見せれば、想像する手間を減らせます。
発信するテーマを採用向けと商談向けに分ける
テーマを決めずに発信を始めると、題材選びに毎回時間がかかります。最初に、次の2つに分けます。
| 対象 | 話す内容 | 視聴者が知りたいこと |
|---|---|---|
| エンジニア志望者向け | 使っている技術、開発体制、働き方 | 自分に合う会社かどうか |
| 発注検討企業向け | 対応できる技術領域、体制、進め方 | どこまで任せられるか |
どちらも、社内のエンジニアや担当者がすでに話している内容です。面談や商談での説明を、そのまま動画の題材にできます。
同業他社と似た内容になりやすいのが、IT企業のチャンネルの特徴です。当社では、SES(IT人材)企業のチャンネルを4社同時進行で制作した実績があります。各社の強みが違うポジショニングで立ち上げたため、同じ業種でも発信内容が重なりませんでした。初回撮影から約1週間で投稿を始めています。自社の強みを1つに絞り、その強みを軸に題材を選ぶと、同業他社との重複を避けやすくなります。
テーマの決め方そのものに迷う場合は、企業YouTubeの企画の決め方も参考になります。
月1回のまとめ撮りで企画を回す
テーマが決まったら、撮影をまとめて行います。当社の制作フローでは、月1回・4時間の撮影で長尺4本分を収録します。出演者が撮影のために空ける時間は、月に半日程度です。
- 01質問を4つ書き出す採用向け2本・商談向け2本に分けて題材を決める
- 02結論を先に話す構成にする冒頭で結論を話し、知りたい人がすぐ分かる構成にする
- 034時間で長尺4本を撮影月1回のまとめ撮りで、出演者の負担を月半日に抑える
- 04初稿を確認して公開撮影後およそ10日で届く初稿を確認し、投稿する
ショート動画は長尺から切り抜いて作るため、ショートのための追加撮影は不要です。長尺4本とショート12本を組み合わせると、月16本の投稿になります。
まとめて撮るために、撮影日までに次の3つを準備します。
- 撮影する場所を確保する(貴社オフィスまたは指定の場所)
- 出演するエンジニアや担当者の服装を確認しておく
- 社内システムや取引先が特定される情報を話さないよう、収録前に擦り合わせておく
撮影の交通費が月額プランに含まれるのは東京都内だけです。東京都以外での撮影は、交通費を別途お見積もりします。
タイトルと構成の作り方
IT企業の動画は、自社の強みを語るだけでは検索やおすすめに乗りにくくなります。視聴者が困っている内容を主語にすると、見つかりやすくなります。
当社が制作に関わるIT人材系の企業チャンネルでは、次の傾向が観察されました。
専門用語をそのままタイトルにすると、視聴者が自分に関係あるかを判断しにくくなります。同じチャンネルでは、専門用語を視聴者の給料やお金の話に言い換えたタイトルで、再生が約7倍になりました。社員インタビューも、会社の自慢ではなく「視聴者の困りごとを助けた話」を主語にした回が、約6倍再生されています。
「AとB、どっちが稼げる?」のような比較の型は、2〜5分の短い動画で、公開から時間が経っても検索から再生され続ける入口になりました。これはIT人材系チャンネルで観察した型です。IT企業であれば、「客先常駐と自社開発、どっちが稼げる?」「正社員とフリーランスエンジニア、どっちが稼げる?」のような題材が、この型の例として考えられます(当社の提案例です)。長尺のタイトルは、25〜30字以内に収めます。それより長いと、サムネイルの横で文字が切れます。
この傾向はIT人材系のチャンネルで観察したものです。業種や職種が変われば、同じ倍率になるとは限りません。
費用の考え方
当社の標準プランは、撮影込みで月額20万円(税別)です。内訳は次のとおりです。
| 工程 | 内容 | 小計 |
|---|---|---|
| 撮影 | 月1回・4時間まで | 40,000円 |
| 長尺動画の編集 | 20分以内 × 4本 | 120,000円 |
| ショート・サムネイル | ショート12本、サムネイル4枚 | 40,000円 |
| 合計 | 月16本の投稿 | 200,000円 |
話す内容を社内で決められる場合、この内訳のままで始められます。採用向け・商談向けの題材選びから依頼したい場合は、企画・台本の作成オプション(月額5万円・税別)を追加します。
当社が把握している一般的な制作会社の相場は、月30万〜50万円です。当社の月額プランは、その約半額です。本数を増やした場合の金額の目安は、YouTube運用代行の費用内訳にまとめています。撮影だけ・編集だけのご依頼は、単価が変わるため個別にご相談ください。
動画を採用と商談でどう使うか
公開した動画は、投稿して終わりにしません。次の使い方で、採用と商談の両方につなげます。
- 採用向けの動画を、求人票や採用サイトにリンクで添える
- 商談向けの動画を、提案書や見積書に添えて、説明にかかる時間を減らす
- ショート動画を、カジュアル面談や初回商談のアイスブレイクで紹介する
検討期間が長い商材では、初回の面談や商談から決定まで複数回のやり取りが入ります。その間に動画を見返してもらえれば、担当者の説明を覚えてもらう助けになります。採用向けの導線をさらに詳しく決めたい場合は、企業の採用YouTube活用手順で手順を解説しています。商談向けの動画の尺や構成は、BtoB動画マーケティングの始め方にまとめています。
まとめ
IT企業のYouTube活用は、エンジニア採用向けと商談向けに発信テーマを分け、月1回のまとめ撮りで続けることが起点になります。タイトルは、自社の自慢ではなく視聴者の困りごとを主語にすると見つかりやすくなります。同業他社と似やすい業種では、自社の強みを1つに絞ってポジショニングを決めると、発信内容の重複を避けられます。
当社の標準プランは、撮影込み・月16本の投稿で月額20万円(税別)です。本数や撮影回数を変えた場合の概算は、見積もりシミュレーションで確認できます。サービスの内容はYouTube制作代行のページにまとめています。