人材紹介会社のYouTubeチャンネルには、転職を考える候補者と、紹介を依頼する企業という、異なる2つの視聴者が集まります。どちらも意思決定までの検討期間が長いため、担当者の人柄や紹介の進め方を動画で見せておくことが、比較検討の後押しになります。

この記事では、候補者向けと企業向けで発信内容をどう分けるか、撮影をまとめて行う手順、商談での動画の使い方、費用の内訳を順に説明します。数字は、当社(株式会社JISEKI)の料金表と制作現場の実績を基にしています。

人材紹介とYouTubeが合う理由

人材紹介という商材には、次のような共通点があります。

  • 候補者は、転職先だけでなく、どのエージェントに相談するかも比較している
  • 依頼する企業側も、複数のエージェントを比較してから契約先を決めている
  • どちらの意思決定も、担当者の対応や紹介までの進め方に左右される

動画は、この3点のうち「担当者の対応や進め方」を直接見せられる手段です。面談の様子や紹介の流れを動画にすれば、候補者と依頼企業の両方に、文章の資料では伝わらない人柄や対応の丁寧さが伝わります。

候補者・依頼企業のどちらも比較検討の期間が長いため、公開した動画は検討が終わるまで繰り返し見返される可能性があります。

発信する内容を候補者向けと企業向けに分ける

人材紹介会社の視聴者には、候補者と依頼企業の2種類がいます。最初に、どちらに向けた発信かを分けます。

対象話す内容視聴者が知りたいこと
候補者向け転職市場の動き、面談の進め方、紹介までの流れ自分に合うエージェントかどうか
依頼企業向け紹介のプロセス、採用ブランディングでの使い方、実績の語り方依頼後の進め方と信頼性

最初に手をつけやすいのは、依頼企業向けの「紹介のプロセス」です。面談から紹介までの流れ、報告の頻度など、依頼する側が契約前に気になる点をそのまま題材にできます。「実績の語り方」は、個社名を出さずに業種や職種の傾向で紹介します。

自社チャンネルを持たない選択肢

自社でチャンネルを立ち上げる以外に、既存の企画に出演する方法もあります。当社では、人材紹介企業向けに、自社企画のキャリア密着ドキュメンタリー番組(第一線で働く人の1日に密着する形式)への出演を制作した実績があります。企画・撮影・編集・サムネイルまで一括で担当しました。採用ブランディングを目的に、まず出演から始めて、反応を見てから自社チャンネルに移る進め方もできます。密着形式の企画の立て方は、採用の密着動画で手順を説明しています。

月1回のまとめ撮りで企画を回す

候補者向け・企業向けのテーマが決まったら、撮影は1回にまとめて行います。当社の制作現場では、月1回・4時間の撮影時間で、長尺4本分をまとめて収録しています。出演する担当者が確保する時間は、月あたり半日ほどです。

Fig企画から納品までの4手順
  1. 01
    質問を4つ書き出す
    候補者向け2本・企業向け2本に分けて題材を決める
  2. 02
    結論を先に話す構成にする
    冒頭で結論を話し、知りたい人がすぐ分かる構成にする
  3. 03
    4時間で長尺4本を撮影
    月1回のまとめ撮りで、出演者の負担を月半日に抑える
  4. 04
    初稿を確認して公開
    撮影後およそ10日で届く初稿を確認し、候補者向け・企業向けの順で公開する

ショート動画は長尺から切り抜いて作るため、ショートのための追加撮影は不要です。長尺4本とショート12本を組み合わせると、月16本の投稿になります。

まとめて撮るために、撮影日までに次の3つを準備します。

  1. 撮影する場所を確保する(貴社オフィスまたは指定の場所)
  2. 面談官や担当者の服装を変える場合は、着替えを用意しておく
  3. 候補者や依頼企業が特定される情報を話さないよう、収録前に擦り合わせておく

撮影の交通費が月額プランに含まれるのは東京都内だけです。東京都以外での撮影は、交通費を別途お見積もりします。

タイトルと構成の作り方

人材紹介の動画は、自社の強みを語るだけでは検索やおすすめに乗りにくくなります。視聴者が困っている内容を主語にすると、見つかりやすくなります。

当社が制作に関わるIT人材系の企業チャンネルを観察すると、次の傾向がありました。

Figタイトルの付け方と再生の傾向(IT人材系チャンネル実測)
6~17倍
時事タイトルの、直近の中央値に対する再生倍率
約7倍
専門用語を言い換えたタイトル
約6倍
困りごと目線に変えた回

人材紹介の動画でこの型を使うなら、専門用語を候補者の給料やキャリアの話に言い換える方法が近いやり方です。この傾向はIT人材系のチャンネルで観察したものなので、職種や題材が変われば、同じ倍率になるとは限りません。

2〜5分の短い動画では、「AとB、どちらが向いているか」という比較形式が、公開から時間が経っても検索から再生され続けていました。人材紹介であれば、「転職エージェントと直接応募、どちらが向いているか」のような題材が、この型に近くなります。長尺の動画でも、タイトルは25〜30字までに収めます。それより長いと、サムネイルの横で文字が切れます。

費用の考え方

当社の標準プランは、撮影を含めて月額20万円(税別)です。内訳は次のとおりです。

工程内容小計
撮影月1回・4時間まで40,000円
長尺動画の編集20分以内 × 4本120,000円
ショート・サムネイルショート12本、サムネイル4枚40,000円
合計月16本の投稿200,000円

話す内容をすでに社内で決められる場合は、この内訳のまま依頼できます。候補者向け・企業向けの題材選びから依頼したい場合は、企画・台本の作成オプション(月額5万円・税別)を追加します。

当社が把握している一般的な制作会社の相場は、月30万〜50万円です。当社の月額プランは、その約半額です。本数を増やした場合の金額の目安は、YouTube運用代行の費用内訳で内訳を確認できます。撮影だけ・編集だけのご依頼は、単価が変わるため個別にご相談ください。

動画を商談でどう使うか

当社が制作に関わる採用支援企業の発信チャンネルは、月4本ペースで長尺とショートを組み合わせて制作しています。このチャンネルは、商談時の信頼材料としても使われています。

公開した動画は、投稿して終わりにしません。次の3つの使い方で、依頼企業との商談や候補者との面談につなげます。

  1. 提案書や見積書に、紹介のプロセスを説明した動画のリンクを添える
  2. 商談や面談の前に見てもらうことで、説明にかかる時間を減らす
  3. ショート動画を、名刺交換の後やメールの署名に紹介する

検討期間が長い商材では、初回の商談から契約まで複数回のやり取りが入ります。その間に動画を見返してもらえれば、担当者の説明を覚えてもらう助けになります。社内で決裁を進める担当者が、動画を決裁者に転送して説明を補うという使い方もできます。BtoBの動画がどう商談に結びつくかは、YouTube BtoBマーケティングの進め方でも手順を解説しています。動画の尺や構成の決め方は、BtoB動画マーケティングの始め方で詳しく説明しています。

まとめ

人材紹介のYouTube活用では、候補者向けと企業向けで発信するテーマを分け、撮影は月1回にまとめて続けることが起点になります。自社チャンネルを持たない場合は、密着ドキュメンタリーのような既存企画への出演から始める方法もあります。

当社の標準プランは、撮影を含めた月16本の投稿で月額20万円(税別)です。本数や撮影回数を変えたときの概算は、見積もりシミュレーションで確かめられます。依頼できる範囲は、YouTube制作代行のページで確認できます。