企業がYouTubeを採用に使うとき、最初につまずきやすいのは企画の内容ではありません。動画を見た人がどこから応募ページに進むかという導線です。概要欄にリンクを貼るだけで終わっている場合、動画を見た人の多くは応募まで進まずに離れます。この記事では、企画や撮影よりも前に決めておく導線設計と、公開後の社内体制を中心に、採用担当者向けの手順をまとめます。

企業の採用YouTube活用、6つの手順

採用目的でYouTubeを使うときは、次の6手順で進めます。導線の設計を企画より先に置くのは、企画が決まったあとに導線を考えると、概要欄だけの貼り付けで終わりやすいためです。

Fig採用YouTube活用の6つの手順
  1. 01
    目的を決める
    ブランディングか応募の増加か、使う場面も合わせて決める
  2. 02
    導線を設計する
    概要欄・固定コメント・採用サイトのリンクを先に用意する
  3. 03
    企画を立てる
    対象とする層、伝える方向性を決める
  4. 04
    撮影する
    月1回・4時間で複数本をまとめて収録する
  5. 05
    公開して導線を確認する
    リンクが正しく機能しているかを公開後に確かめる
  6. 06
    指標を見て改善する
    応募数や遷移数を定期的に確認する

企画の決め方そのものは、採用YouTubeチャンネルの始め方で詳しく説明しています。この記事では、その前後にある導線設計と運用の手順を扱います。

動画を応募につなげる導線を先に設計する

動画は、見た人がそのまま応募ページに進める状態になっていないと、視聴数が増えても応募は増えません。導線を置く場所は、大きく3つに分けられます。

Fig導線を置く3つの場所
動画内のリンク
  • 概要欄に採用ページのURLを貼る
  • 固定コメントに募集要項のリンクを置く
動画の機能
  • カードで関連動画へ誘導する(外部リンクはYouTubeパートナープログラム参加が条件)
  • 終了画面に次に見てほしい動画を表示する
動画の外
  • 採用サイトや説明会資料に動画を埋め込む
  • ATS(応募管理システム)の案内に動画のリンクを添える

概要欄と固定コメントは、動画を見ている最中に応募ページへ移動できる導線です。カードと終了画面は、視聴後に次の動画へ誘導する機能です。外部の採用ページへのリンクはYouTubeパートナープログラムへの参加が条件となるため、参加前は関連動画への誘導に使います。採用サイトや説明会資料への埋め込みは、動画を別の場所から見てもらう導線です。この3種類をすべて使う必要はありませんが、概要欄だけに頼ると、視聴後に画面を閉じる人を取りこぼします。説明会で動画を流す場合は、その場でURLを案内するよりも、資料や当日配布物にQRコードやリンクを載せておくと、あとから見返してもらいやすくなります。

担当者が少ない場合は、3種類をいきなり全部整えるのではなく、優先順位をつけます。まず概要欄と固定コメントで動画内の導線を整え、次に採用サイトへの埋め込みを進め、カードと終了画面は動画の本数が増えてから整える、という順番でも始められます。導線は動画を公開したあとからでも追加や修正ができるため、最初の数本では導線の形を固めることを優先し、本数が増えてきた段階で見直す進め方もあります。

企画・撮影・編集の進め方

導線を決めたあとは、企画と撮影に進みます。対象とする応募者層や伝える方向性の決め方は別の記事で手順を解説しているため、ここでは撮影から公開までの流れを説明します。

当社の制作フローでは、月1回・4時間の撮影で長尺4本分をまとめて収録します。出演する社員が撮影のために空ける時間は、月に半日です。ショート動画は長尺から切り抜いて作るため、ショートのための追加撮影は発生しません。編集とサムネイルの初稿は、当社の場合、撮影後およそ10日でお届けしています。

当社がSES(IT人材)企業4社のチャンネルを同時進行で制作したときは、各社で訴求する強みを変えたうえで、初回撮影から約1週間で投稿を始めました。企画の方向性が決まっていれば、撮影から投稿までの準備期間は短くできます。

採用担当者が出演者を兼ねる場合、撮影日を他の業務より先にスケジュールへ入れておきます。月1回・4時間という撮影のまとまりは、説明会や選考の合間に撮影日を確保しやすくするためのペースでもあります。撮影日を毎月同じ週に固定しておくと、出演する社員の予定調整がしやすくなります。

出演社員の同意と社内の確認フロー

採用動画は、社員の顔や発言がそのまま公開されます。撮影前に、次の内容を本人に伝えて同意を得ておきます。

  1. 撮影する範囲(顔出しの有無、話す内容の範囲)
  2. 公開する期間(期間を区切るか、継続して公開するか)
  3. 退職後も動画の公開を続けるかどうか

同意を取る担当者と、公開前に内容を確認する担当者は分けておきます。人事担当者が出演者の同意を取り、広報担当者や上長が公開前の内容を確認する、という2段階にすると、公開後に「この発言は想定していなかった」という事態を防ぎやすくなります。退職者が出演する動画の扱いは会社によって判断が異なるため、社内規程や契約の内容に沿って、法務担当者にも確認しておくと安心です。

複数の部署が関わる場合は、誰が最終的に公開を判断するかも決めておきます。人事・広報・出演者本人の3者で確認する順番を先に決めておくと、撮影日が近づいてから確認待ちで公開が遅れる事態を避けられます。社外の制作会社に撮影を依頼する場合も、初稿の確認から公開までにかかる日数を事前に共有しておくと、投稿スケジュールが立てやすくなります。

公開後に確認する指標と改善の手順

公開してからは、再生回数だけでなく、動画から採用ページへ進んだ人数を確認します。概要欄や固定コメントのリンクにパラメータを付けておくと、どの動画からの流入かを分けて確認できます。応募フォームに「何を見て応募したか」を選択させる項目を用意しておくと、動画経由の応募を簡単に把握できます。

月次で確認する項目は、次の3つです。

  1. 動画ごとの再生回数と視聴維持率
  2. 動画から採用ページへの遷移数
  3. 導線のリンクが正しく機能しているか

数値を見て改善する対象は、タイトルやサムネイルだけではありません。導線の置き場所を変える、固定コメントの文言を見直す、といった調整も効果につながります。公開した直後の数本だけで判断せず、同じ導線のまま数か月分の動画を比べると、企画と導線のどちらが遷移数に影響しているかを分けて考えやすくなります。企画の中身を見直す場合は、採用YouTubeチャンネルの始め方やYouTube採用の成功事例も参考にしてください。

費用の考え方

採用目的のチャンネルも、費用の内訳は他の目的のチャンネルと変わりません。当社の月額プランの内訳では、撮影込みで長尺4本とショート12本の月16本投稿が月額20万円(税別)です。当社では一般的な制作会社の相場を月30万円から50万円と見ており、当社の標準プランはその約半額です。

企画や台本を社内でまとめきれない場合は、月額5万円(税別)のオプションでお受けしています。応募者からよく聞かれる質問が社内で分かっている場合は、オプションなしで始められます。費用の内訳全体は、YouTube運用代行の費用内訳にまとめています。チャンネル開設そのものの設定手順は、法人のYouTubeチャンネル開設手順を参考にしてください。

まとめ

企業がYouTubeを採用に使うときは、企画より先に導線を設計します。概要欄・固定コメント・採用サイトへの埋め込みという導線を組み合わせ、カードと終了画面はYouTubeパートナープログラム参加前は関連動画への誘導に使います。公開後は再生回数だけでなく採用ページへの遷移数を確認します。当社の制作フローでは、月1回・4時間の撮影で長尺4本分をまとめて収録し、初稿は撮影後およそ10日でお届けしています。

費用の概算は見積もりシミュレーションで確認できます。サービスの内容はYouTube制作代行のページにまとめています。