採用目的のYouTubeチャンネルで最初に決めるのは、アカウントの開設方法ではありません。誰に密着し、最初の4本で何を話すかという企画です。この記事では、アカウント開設の前に決めておくことと、当社の制作現場で実際に行っている手順を、採用担当者向けに整理します。

アカウント開設の前に決める3つのこと

Googleアカウントの作成やブランドアカウントへの切り替えといったチャンネル開設の手順は、法人のYouTubeチャンネル開設手順で説明しています。採用担当者がその前に決めておく必要があるのは、次の3つです。

決めること具体的な内容
対象新卒・中途のどちらを主な対象にするか、職種を絞るか
伝える方向性社員の日常に密着するか、特定のテーマで企画をつくるか
出演する社員の同意撮影する範囲と公開する期間について、本人から了承を得る

対象を新卒・中途のどちらかに絞ると、出演する社員の選び方や話す内容が変わります。新卒向けなら社会人経験の浅い社員の視点、中途向けなら前職との違いが伝わる社員の視点が手がかりになります。伝える方向性は、社員の日常に密着するか、特定のテーマで企画をつくるかを選びます。密着型は撮影の準備が少なく始めやすく、企画型は構成を考える時間が必要です。出演する社員の同意は、撮影する範囲と公開する期間を本人に伝え、了承を得たうえで撮影日を決めます。同意を得る際は、退職後も動画を公開し続けるかどうかも伝えておくと、後から公開範囲について相談を受ける回数を減らせます。

この3つが決まっていないままアカウントだけ開設すると、最初の動画を出すまでに企画の確認が何度も発生します。

採用YouTubeチャンネルを始める5つの手順

当社がSES(IT人材)企業4社のチャンネルを同時進行で制作したときは、各社で訴求する強みを変えたうえで、初回撮影から約1週間で投稿を始めました。採用YouTubeチャンネルを始めるときは、撮影の前に次の5手順を済ませておきます。

Fig採用YouTubeチャンネルを始める5つの手順
  1. 01
    対象と職種を決める
    新卒・中途のどちらに向けるか、職種を絞るかを決める
  2. 02
    伝える方向性を決める
    社員の日常に密着するか、テーマ企画にするかを選ぶ
  3. 03
    出演する社員を選ぶ
    経歴や人柄が伝わる社員を、最初の4本分に割り振る
  4. 04
    話す結論を先に決める
    会社の自慢ではなく、応募者の疑問を主語にする
  5. 05
    撮影日を1日確保する
    月1回・4時間で4本分をまとめて収録する

5手順は、対象を決めてから出演者を選び、話す内容を決めてから撮影日を確保するという順番です。順番を入れ替えると、撮影日だけ決まって話す内容が決まらない、という事態が起きやすくなります。

5手順のうち、3〜4番目の企画を社内で詰めきれない場合は、企業YouTubeの企画の決め方も参考にしてください。

企画で気をつける3つのポイント

当社の制作現場では、採用動画の企画に関わる傾向が3つ見えています。

  1. 同じ社員インタビューの素材でも、主語を会社の自慢ではなく「視聴者の困りごとを助けた話」にした回は、約6倍再生された
  2. 演者の経歴や人柄が分かる回は、長尺動画の中で上位の再生になった
  3. 長尺のタイトルは25〜30字以内に収めている。これより長いとサムネイルの横で文字が切れる

採用動画でも、応募者が知りたいのは会社の自慢よりも、働く人の実際の姿です。インタビューの構成を決めるときは、「この社員の何が会社の自慢になるか」ではなく、「この社員のどんな経験が、視聴者の疑問に答えるか」から考えると、主語がそろいます。

演者の経歴や人柄を伝えるときは、肩書きではなく具体的な経験を話してもらいます。「前職で何に困っていたか」「今の仕事で初めて分かったこと」のような問いを、撮影前にあらかじめ用意しておくと、当日の収録がスムーズに進みます。

撮影を月1回にまとめると運用が続けやすい

採用担当者は、面接や説明会と並行してチャンネルを運用することになります。撮影の回数が増えるほど、出演する社員と採用担当者の時間が取られます。

当社の制作フローでは、月1回・4時間の撮影で長尺4本分をまとめて収録します。1本あたり約1時間の計算です。出演者が撮影のために空ける時間は、月に半日で済みます。まとめて撮るために、撮影日までに次を決めておきます。

  1. 4本分の題材と、話す順番
  2. 出演する社員の服装(着替えが必要な場合は用意しておく)
  3. 1本ごとに、冒頭で話す結論

ショート動画は長尺から切り抜いて作るため、ショートのための追加撮影は不要です。採用ピークの時期にショートの本数だけ増やすといった調整もできます。

撮影日をずらさないようにするには、撮影の1週間前までに題材と出演者の都合を確定させておきます。採用担当者が他の業務と兼務している場合、撮影日を社内のスケジュールに先に入れておくと、月1回のペースを守りやすくなります。

採用ピーク期に本数を増やす場合の費用

説明会や選考が重なる時期は、長尺の本数を増やして発信量を上げたい場合があります。当社の月額プランの内訳では、長尺動画の編集は1本30,000円(20分以内)です。本数を増やした場合の編集費は次のとおりです。

Fig長尺の本数と編集費
4本120,000円
6本180,000円
8本240,000円

同じ内訳では、撮影は月1回・4時間までが40,000円です。4本分を超えて撮影する場合や、撮影回数を月2回に分ける場合は、撮影費も合わせて増えます。本数を増やす判断は、採用ピークの時期だけに限定すると、費用を抑えやすくなります。

本数を増やす検討は、説明会の件数や選考のピーク時期が分かった時点で、1か月前には判断しておくと、撮影日の確保がしやすくなります。中途採用のように検討期間が長い応募者に向けては、本数を一時的に増やすよりも、同じ本数を安定して投稿し続けるほうが、比較検討している期間中に新しい動画と出会う機会を保ちやすくなります。

内製と外注、企画の作成を誰が担うか

応募者からよく聞かれる質問や、説明会で話している内容がそのまま動画の題材になる場合は、企画や台本を社内で用意できます。社内でまとめきれない場合、当社では月額50,000円(税別)のオプションで企画・台本の作成をお受けしています。

採用担当者が自分で出演しながら企画も担う体制は、立ち上げ期には負担が大きくなります。最初の数か月だけ企画・台本を依頼し、題材の型ができてから社内で用意する、という切り替えもできます。社内で企画を担う場合は、応募者からよく受ける質問をそのままメモしておくと、台本の下書きになります。外注する場合も、話してほしい内容の方向性だけは社内で決めておくと、台本のすり合わせにかかる時間が短くなります。費用の内訳全体は、YouTube運用代行の費用内訳にまとめています。

実際に応募数や閲覧数の変化が確認できた事例は、YouTube採用の成功事例で2社分を紹介しています。

まとめ

採用YouTubeチャンネルは、アカウント開設より先に対象・方向性・出演社員を決めることで、短期間で投稿を始められます。当社がSES企業4社を同時に立ち上げたときも、初回撮影から約1週間で投稿を開始しました。当社の制作現場では、視聴者の困りごとを主語にした回が約6倍再生されました。長尺のタイトルは、サムネイルの横で文字が切れないよう25〜30字以内に収めています。

費用の概算は見積もりシミュレーションで確認できます。サービスの内容はYouTube制作代行のページにまとめています。